名義変更に伴う移転登録と必要書類
(譲渡・個人売買に伴うクルマの名義変更)

中古車屋さんや個人売買などでクルマを購入した場合、そのクルマを自分の名義に変更しなければなりません。これはクルマ社会の一員としての義務でもあります。
個人売買などで友人からクルマを譲ってもらった場合には特に注意が必要です。友人だからといって名義変更が遅れたり怠ったりするとトラブル発生の原因にも繋がります。最悪の場合、これが原因で人間性さえ否定されてしまうケースさえあるようです。
クルマを所有する以上、きっちりと責任は取りたいものです。

 

クルマの名義変更は陸運事務所で「移転・新規登録」の手続きを行います。
この手続きには「譲渡証明書」や「譲渡人の印鑑証明」、「譲受人の印鑑証明」、「譲渡人の住民票(車検証記載住所と異なる場合)」、「移転先の車庫証明書」などが必要です。
必要な書類はケースバイケースですので、先に陸運事務所に行って具体的に必要な書類や税金のことなどを聞きに行くのも良いと思います。
取りあえず、友人からクルマを譲ってもらった場合の移転登録の手続きの例を上げて、下のチャート図に従って、手続きの流れを見ていくとしましょう。

■譲渡に伴う「移転登録の手続き」の流れ■

まず、友人宅にクルマ(現物)を貰いに行きます。
その時、「車検証」を見て「所有者は誰か?」と言う事をハッキリと確認しておく必要性があります。
ここで言う「所有者」とは、「車検証の所有者の欄に記載されている個人、または法人」のことを表します。
ここで友人から貰うべき書類は、ケースバイケースで異なってきますので、よく実際に多くある例を上げていきます。
所有者が友人本人(個人)である場合

特に何も問題なく名義変更が出来ます。友人から貰う書類は下記の通り。

●車検証、又は抹消登録証明書
 ※紛失していたら直ちに陸運支局に連絡して再発行してもらうこと!
 ※ここで抹消登録証明書を貰った場合は移転登録でなく「新規登録」という。

●譲渡証明書
 ※譲渡証明書には友人の実印を押印する事!

譲渡証明書の書き方はココをクリックしてね!

●印鑑証明書
 ※友人のもの1通

●住民票
 ※所有者は友人本人(個人)であるが、
 ※引越などで現住所と車検証の記載住所が異なる場合のみ必要!

所有者が友人本人ではなく、ディーラー等の場合

友人が自動車のローンを完済しておらず、ディーラーやローン会社などが所有権を握っており、「所有権留保」されている場合があります。
この場合には、
ローンを完済し終えてからディーラー等に対し「所有権の解除」をしてもらう必要があります。また、ローンを完済していても「所有権の解除」をしてないと同じ事が言えます。まず「所有権の解除」を行ってください。
この場合、ローン会社から下記の書類を取得する事になります。

●車検証、又は抹消登録証明書
 ※紛失していたら直ちに陸運支局に連絡して再発行してもらうこと!
 ※ここで抹消登録証明書を貰った場合は移転登録でなく「新規登録」という。

●譲渡証明書
 ※譲渡証明書には法人(会社)の実印が押印されているもの
 ※法人実印の場合は印鑑証明書は必要無い

譲渡証明書の書き方はココをクリックしてね!
友人が会社の経営者で、法人名義になっている場合

基本的に個人の場合と同様ですが、貰う書類が異なってきます。

●車検証、又は抹消登録証明書
 ※紛失していたら直ちに陸運支局に連絡して再発行してもらうこと!
 ※ここで抹消登録証明書を貰った場合は移転登録でなく「新規登録」という。

●譲渡証明書
 ※譲渡証明書には法人(会社)の実印が押印されているもの
 ※法人実印の場合は印鑑証明書は必要無い

譲渡証明書の書き方はココをクリックしてね!
また自動車県民税(毎年5月に払うヤツね)は、譲渡人(友人)と譲受人(自分)の所在都道府県が異なる場合、移転先で新たに支払うので問題ないのですが、同じ都道府県の場合は移転登録時に支払う必要がないので別途個人的に税金を負担する必要があります。特に義務付けられてはないのですが、マナーですので税金の事なども友人と話しておく事も大事だと思います。

●自動車取得税について‥
例えば100万円でクルマを取り引きした場合、5%の課税が掛けられ、税金を支払わなければなりません。但し、50万円までは課税の対象にはなりません。そこらへんも注意しておきましょう。

 

次に念のため、陸運事務所の「総合窓口」に行って移転登録に必要な書類、及び車検を受ける必要があるかどうかを聞きます。
車検を受ける必要性の有無は、車検証、又は登録抹消証明書を見ても判断することができます。
車検を受ける必要がある場合

●貰った書類が「登録抹消証明書」である場合
●貰った書類が「車検証」で有効期限が切れている場合

車検を受ける必要がない場合

●貰った書類が「車検証」有効期限が1ヶ月以上残っている場合
 ※有効期限が1ヶ月未満の場合は車検を受ける事を推奨


●車検を受けると決まったら‥
車検を受けて登録することが決まったら、自分でユーザー車検を受けるか、車検屋(テスター屋)にて車検を依頼するか決定する必要があります。
ユーザー車検を希望の場合は、ユーザー車検予約センターに事前に予約しておかないといけませんので注意が必要です。

●移転・新規登録に伴い、クルマのナンバーが変わる場合
譲渡人(友人)と譲受人(自分)が、同じ陸運支局の管轄区(車両ナンバーの地名に属する地域)に住んでいる場合はクルマのナンバーは変わりません。そのままのナンバーを使用します。
逆に、譲渡人(友人)と譲受人(自分)が、異なる陸運支局の管轄区(例えば大阪ナンバーとなにわナンバーの区域など)に住んでいる場合はクルマのナンバーが変わります。これを「管轄変更」といいます。この場合、「移転・新規登録」でクルマのナンバーが変わりますので「希望ナンバー制度」のこともアタマに入れておきましょう。

●自動車県民税の取り扱いはどうなるの?
県民税と言うくらいですから、もちろん陸運支局の管轄区とは全然違った都道府県レベルの扱いになってきます。
譲渡人(友人)と譲受人(自分)が、同じ都道府県に住んでいる場合、自動車県民税も税務所に支払う必要がないので、差額を譲渡人に支払うようにしましょう。また、異なった都道府県に住んでいる場合は、新しく差額を支払わないといけません。支払った後の差額は後ほど都道府県から譲渡人宛に返済されます。

 

次は警察署にて「車庫証明書」の取得手続きをしにいきます。
「車庫証明書」の取得までには約1〜2週間かかります。
なるべく早めに行動しておいた方が良いでしょう。

「車庫証明書の取得方法」はココをクリックしてね!

 

市役所・区役所では、以下の書類を取得します。

●印鑑証明書(1通)

●住民票(1通)
 ※管轄変更を伴う場合、税務署提出用として。

●臨時ナンバー
 ※車検を受ける場合でクルマが運行出来ない場合。

臨時ナンバーの取得方法はココをクリックしてね!
住民票は場合によっては2通必要な時がありますので
念のため予備で2通取得しておく事をオススメします。

 

全ての書類が揃ったら、再び陸運支局の「総合案内」に行きます。
あとは、言われるがまま、なされるがままに役人さんの指示に従って下さい。「りくじ」特有の「たらい回し的」な行政処理のスタートです。誰も止める事ができません‥(笑)
でも気が付いたら、新しい車検証もらって、すべての行政処理が終わってますので御安心を‥
一応、実際にどんな手続きが行われるのか下の表に記していきます。
また、手続きの順序ですが、陸運支局または都道府県によって若干異なりますので注意して下さい。

●自動車検査(車検場)
 ※車検を受ける必要性がある場合。

●移転・新規登録(庁舎)
 ※自分の名義の車検証を交付。

●旧ナンバープレートの返納(陸運協力会)
 ※管轄変更を伴う場合のみ

●新ナンバープレートの交付(陸運協力会)
 
※管轄変更を伴う場合のみ

●ナンバープレートの交換と封印(陸運協力会)
 
※管轄変更を伴う場合のみ
 ※ドライバー及びペンチ・プライヤ類は忘れずに持って行こう!

ナンバープレートの交換や封印の取付方法はココをクリックしてね!

●自動車県民税の納税義務者の住所変更申告(自動車税事務所)
 
※住民票を提出する。

●自動車県民税の支払い(自動車税事務所)
 
※譲渡人と譲受人の住所が異なる都道府県の場合のみ

(注意)譲渡人と譲受人の住所が異なる都道府県の場合、自動車県民税を月割り計算で支払わなくてはなりません。たとえば、県民税が4万円のクルマの場合、登録月が10月なら新年度の5月から起算して半額の2万円くらいはもって行きましょう。
すでに譲渡人が支払っている自動車県民税については、遅かれ早かれ、そのうちいつかは都道府県から譲渡人に返済されます。

移転・新規登録を他人に依頼する時は?

基本的に譲受人(自分)の実印を押印した委任状が必要です。

委任状の書き方はココをクリックしてね!

 

これまで述べてきた通り『移転・新規登録の手続き』って最もややこしく、時間のかかる手続きです‥譲渡人に迷惑をかけないよう、くれぐれも、事前から計画を立てて時間のロスにならないよう行動してくださいね!

おしまい‥